
「ありのままの姿」を
受け入れられるときも
そうでないときも
それが私にとっての本当の姿
まるごと受け入れて
自分を好きになれるよう
北原 弥佳
リアルサイズモデル
Fashion

JUNO:
ファッションで影響を受けている人はいますか?
また、どんなファッションがお好きですか?
北原様:
海外のリアルサイズモデルのファッションを参考にしています。Ashley Graham(アシュリー・グラハム)、Jill Kortleve(ジル・コートリーヴ)、Minami Gessel(ミナミ・ゲッセル)など。Jill KortleveはカーヴィーモデルとしてCHANELのランウェイを歩いているのを見て、媚びないファッションがかっこいいと感じました。ファッションで好きな色は、ベーシックな黒やパープル。自分の体の好きなパーツがウエストで、ウエストを見せる様な、露出の多いファッションが好き。
JUNO:
とてもおしゃれな北原様、子供の頃からファッションがお好きでしたか?
北原様:
サイズの問題があり、ブランドの洋服は自由に選べませんでした。子供の頃、着られる洋服は限られていたので、ファッションにとても興味があったわけではありません。今でもサイズの理由で、ZARAやオンラインストアなどで洋服を購入することが多いです。ファストファッションでも長く、大事に使うようにしています。専門学校で東京にきてから、ファッションに興味をもちはじめました。好きな色味はパープルや黒、黒をベースにバッグで差し色などのコーディネートが好き。自然が好きなので、緑にはえる、ソフトクリームのような白も好きです。
PRIVATE

JUNO:
北原様の趣味はなんですか?
北原様:
ししまる(犬)と一緒に山登りをしたり、雑草を抜いて無心になっている時間も好きで…自然が好きです!韓国ドラマ(ラブコメ)も好き。周りには子供がいる友人が多く、最近は出会いや自分の幸せについて考える機会が増えました。
JUNO:
気分が落ち込んだときにはどう対処していますか?
北原様:
そのままの自分を受け入れています。無理に明るくしたり、元気になろうとしたりせず、そのままの感情を受け入れています。
JUNO:
表情や発する言葉が、まさに太陽のような北原様。ご自身のありのままを受け入れて、愛することは昔からできたのですか?
北原様:
高校時代はそうではなかったです。太っている女の子が制服でミニスカートを履いているのを、影で噂されたりする環境で、自分に自信が持てなかったです。音楽の専門学校で東京に出てきて、そこにはアジア・ヨーロッパからいろんな人種・考えを持った学生が集っていました。人前に出る機会があったのですが、「みんなの前に立ちたくない…」と思っていたとき、その時の友人が「あなたはそのままで美しいのだから、自信を持たなければだめ!あなたの身体、素晴らしいよ。」と、子供を叱るように、ずっと諭してくれたんです。そこから、自分自身を受け入れ、自信が持てるようになっていきました。そのままの自分を愛していいんだと思えた。友人の紹介で受けた、Peach Johnのオーディションに受かって、現在のキャリアがスタートしました。
ボディ・ボジティブについて
ボディ・ポジティブは、ありのままの自分の身体を愛そう、受け入れようという考え方です。 他者からみた“理想的”な体型や外見にとらわれず自分の身体をポジティプにとらえる考え方とも言えます。またサイズだけではなく、形や肌の色、障がいや傷の跡なども含む様々な身体的特徴に関係なく、すべての身体を受け入れることにフォーカスした考え方やムーブメントを指しています。体型にも多様性を取り入れることを目的とし、SNSのハッシュタグでは#bopo が100万を超え投稿されています。

ボディ・ポジティブの最初の運動が開催されたと言われているのは1967年。ラジオホストであるスティーブ・ポストがNYのセントラルパークで、「ファットイン」という肥満体型に対する差別への抗議を行うイベントを開催したそうです。
その後2012年頃からインターネットを中心に欧米で広がり始め、その先駆けとなったのが 人気アーティストのLady Gaga(レディ・ガガ)が行った運動「A Body Revolution」。近年ではパーソナル・ケア製品で有名なダヴが、少女たちが自分の容姿に自信を持って成長できるよう啓発するプロジェクトに取り組んだり、バービー人形を手掛けるマテル社が2016年にプラスサイズのバービー人形を発売するなど、企業にもその考え方が広がっています。
またボディ・ニュートラルという言葉が表す、自分の体型が気に入らないときがあってもいいという考え方もあります。コンプレックスを拭ってありのままの自分を愛すことが難しい人もいることから、身体に対して自然体でいる価値観といえるでしょう。
Reference link
THE DRESS

JUNO:
今回の企画「ウェディングシーンでのドレスアップ」では何をつくっていきましょう?
北原様:
最初はウエディングドレス!と思っていたけれど、実際ドレスを見てみるとゴージャスな雰囲気や色彩に、カラードレスに惹かれています。上半身はショルダーのボリュームを出してバランスを取りたいです。二の腕や太ももの個性を、美しく見せるようなドレスがいいな。背中は開けて、スカートのスリットはマストで欲しい!マーメイドラインでヒップのシルエットをきれいに出して…。デザインでは、自分の意思を大切にしたいですね。着る人が何を伝えたいか、という部分を。
JUNO:
結婚式をあげるならどんなイメージですか?
北原様:
自然が大好きなので、海や森で。砂漠とかもいいですね。

JUNO:
デザインのご希望はありますか?
北原様:
やっぱり自分の好きなパーツである、ウエストやバストを見せたい!肌見せが好きです。ネックライン、背中、足も大胆に見せたいですね。カラーは、マリリン・モンローのようなシルバーゴールド系や、鮮やかなグリーンやピンク・パープルがイメージです。
JUNO:
以前、Instagramでビビッドなピンクのドレス姿を拝見しました!鮮やかな色がお似合いですよね。
北原様:
ありがとうございます。あのドレスも大好きでした!以前別なお仕事でウェディングドレスも着たことがあるのですがその企画とは違う楽しみを感じています。私にとって、こんな取り組みをしているドレスショップはヒーローのような存在に感じます。
ここまでのヒアリングから胸元を深くVに開けたり、
スリットを入れて足を見せたり、ウエストにカットを入れて、ウエストを見せたり..
というアイディアが出ました。ここから、デザイン画・生地の提案へと進みます。
First sketch

JUNO:
北原様がお友達と過ごすパーティーをイメージしてデザインしました。いかがですか…?
北原様:
わあ!ほんっとにどれも素敵で... ありがとうございます。デザインは3と4が好きです!

その後、色々と話しながら、たくさんのパターンを想像して最終的に、デザイン4をベースに進めていくことに決定しました。生地は24番のビビッドなグリーンに!マーメイドのシルエットで、北原様の魅力であるバスト、ウエストラインを際立たせて大きく開けたスリットで肌見せも。北原様だからこそ叶う、かっこいい着こなしを想像させるデザインに期待とワクワクしたムードに溢れていました。
Second sketch
選ばれたのは二つ目のデザイン、次はいよいよトワルチェック。
北原様の魅力を際立たせるデザインが形になっていきます。
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トワルを初めて試着してカーテンオープンしたときの
BIGSMILE!はつらつと輝く笑顔が本当に魅力的。 -
本番と同じ、グリーンの生地を顔周りに当ててみます。
とってもお似合いなカラー!フリルの分量、サイズ感、スリットの位置など、細かな修正点を確認していきます。 -
ゴージャスなデザインを堂々と着こなす姿がかっこよくて、とても印象的。
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フリルの端にビーディングを追加するのはどうか?など、ご提案しながらデザインを修正していきます。今回の企画にはパタンナーも参加。サイズを測り、それに合わせてドレスを作成していきます。
ここまでの打ち合わせを経て
ついにドレスの完成です。
THE DRESSforMIKA KITAHARA
